ウェブメディアにおけるがん情報発信を考える
どうあるべきか?(どうなる?)インターネット上のがん医療情報の発信
患者(がん患者)が医療情報を入手する媒体の第一位は、インターネットであり、近年ではいわゆるホームページだけに留まらず、Twitter・FacebookなどのSNS(Social Networking Service)の普及も著しい。一方で、様々な要因から、インターネット上には、誤った情報、患者に有害な情報が溢れ、正確な情報を入手するためには、Googleなどの検索エンジンも機能しているとは言えない。また、がんなどの重篤な疾患、医薬品(抗悪性腫瘍剤)などに関する情報、本来発信されるべき情報が、患者(家族・一般)に届きにくい環境があり、いわゆるジャンク情報は野放し状態にある。
本セッションでは、様々な立場から、がん情報(健康医療情報)を発信するサイトの取り組みについて供覧し、今後のインターネット 上における情報発信を考えます。
16:00〜 背景説明
川上 祥子(かわかみ さちこ)
NPO法人キャンサーネットジャパン理事・事務局長
1992年早稲田大学第一文学部卒業。国際線客室乗務員として4年間の勤務後、歯科医院立ち上げを経験し医療に関心を持つ。その後、東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学専攻入学、卒業。看護学生時代にがん体験者の講演を聴き、社会でがんと向き合う人々への支援の必要性を実感して以来、キャンサーネットジャパンに関わり、臨床を経て2007年1月、キャンサーネットジャパン専任理事となり、2015年4月、事務局長就任。臨床は東京大学附属病院放射線科病棟、都内クリニック乳腺化学療法外来担当など。近畿大学医学部非常勤講師、頭頸部癌診療ガイドライン外部評価委員、大腸癌研究会倫理委員会委員。
16:10〜 キャンサーチャンネル
柳澤 昭浩(やなぎさわ あきひろ)
NPO法人キャンサーネットジャパン理事
18年間の外資系製薬会社勤務を経て、2007年1月よりNPO法人キャンサーネットジャパン理事・事務局長(現在は理事)。先入観にとらわれない科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携するため、日本肺癌学会チーフ・マーケティング・オフィサー、株式会社クリニカル・トライアル、株式会社クロエのマーケティングアドバイザー、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員などを務める。
16:25〜 がん情報ポータルサイト:オンコロ
高橋 秀和(たかはし ひでかず)
株式会社クリニカル・トライアル ITソリューション事業部 部長
1980年生まれ。早稲田大学在学中に起業。厚労省後援のイベント運営、大手新聞社メディア制作、雑誌編集長、予備校講師、大手企業経営企画室などのジェットコースター人生を経て、2011年から300以上のWEBサイト運営を行う。保険ポータルサイト運営時に、治験・臨床試験情報ポータルサイト「生活向上WEB」を運営する株式会社クリニカル・トライアルと出会い、現職。20代の経験を活かし、ITだけに限らず「伝わる」手段を構築するプロデューサーとして活躍。生活向上WEB、オンコロなどを担当。
16:40〜 健康・医療サイト:アピタル
田村 建二(たむら けんじ)
朝日新聞記者、医療サイト「アピタル」編集長
1993年朝日新聞社入社。福井、京都の各支局(現総局)、東京本社科学部、大阪本社科学医療部次長などを経て、2014年6月よりアピタル編集長。生殖医療やがん、生活習慣病といった医療・医学分野を主に取材し、生活面の連載「患者を生きる」の取材班キャップなどを担当。朝日新聞社が慶応義塾大学医学部に昨春設置した「先端医療情報イノベーション寄付講座」の共同研究員を兼務。
16:55〜 医療・健康の情報サイト:Medエッジ
星 良孝(ほし よしたか)
株式会社DeNAライフサエンス Medエッジ編集長
2001年、日経BP社入社。「日経メディカル」「日経ビジネス」「日経バイオテク」で記者や編集者を務め、医療機関や企業、行政のほか全国に取材を続け、47都道府県を踏破する。海外でも米国、欧州、アジア、オセアニアに取材。この間、英国BMJ発行の日本語訳版である「クリニカル・エビデンス ISSUE9 日本語版」や「日経バイオ年鑑」など書籍編集にも加わる。2010年から大手医療専門サイト「m3.com」に移り、「臨床ニュース」「米国学会短信」「臨床賛否両論」「m3クイズ」などの臨床系コーナーを新たに拡充。全国およそ25万人の医師向けの情報提供の幅を広げた。海外の状況も念頭に日本での一般向け最先端情報提供の必要性を感じていたところから、2014年4月にDeNAグループに移り、同年8月8日に医療と健康の情報サイト「Medエッジ」を開始。同日開催された「アキバ・キャンサー・フォーラム」も記事として伝えた。サイト開始から編集長を務め、2015年6月に月間利用者100万人突破を達成。6月30日から大腸がんと糖尿病に特化した月額税込888円の専門版を開始した。
17:10〜 がん情報サイト
松本 英里子(まつもと えりこ)
先端医療振興財団 臨床研究情報センター 企画・広報部
2007年、神戸の医療産業都市に位置する先端医療振興財団に入所。米国国立がん研究所(NCI)が配信する大規模がん情報データベースPDQ(Physician Data Query) の日本語版「がん情報サイト」や、がん診療ガイドラインを発行する日本の学会の協力を得て「NCCNガイドライン日本語版」を運営する。他領域では米国国立加齢研究所(NIA)の情報を主とした「アルツハイマー病情報サイト」の運営や「メルクマニュアル」の編集を担当。またPDQを編集し「患者・家族のためのがん緩和マニュアル」、「患者・家族と医療者のための乳がん診療マニュアル」、ゴールドリボンネットワークの協力の下「小児がん情報冊子」等の出版物を発行する。他機関とのネットワークを大切にしながら、日本の医療の質が向上するようウェブサイトや出版物の制作および広報活動に取り組む。
17:25〜 Wrap Up Session
パネルディスカッション形式でお届けします。