がんと医療費のこと
高額化するがん医療費。どうなる日本の医療保険制度?
昭和36年(1961年)に国民皆保険が実現して以降、日本では、国民誰もが公平、平等に、また、がんなど高額となる治療においても、高額療養費制度など一定水準の医療が保障されてきました。しかしながら、近年の高額化するがんなどの医療において、その社会的負担、個人的負担について考えなければならない時期に入っています。
講師の藤原康弘氏は「患者申出療養の対象になると予想される海外承認済み国内未承認の抗がん剤の実態」について論文にまとめ報告しています。このセッションでは、がん医療における医療費の現状と、今後導入される「患者申出療養(仮称)」の課題についてお話し頂きます。
講演者
藤原 康弘(ふじわら やすひろ)
国立がん研究センター中央病院 副院長(研究担当)
1984年広島大学医学部卒。国立がんセンター研究所 薬効試験部 研究員。1992年広島大学 病院 総合診療部(第2内科)助手。1997年国立衛研 医薬品医療機器審査センター・主任審査官、 審査管理官として新薬承認審査に従事。2002年国立がんセンター中央病院 医長。2007年同 病院 臨床検査部長。2008年臨床試験・治療開発部長。2010 年同病院 副院長(経営担当)兼 乳腺科・腫瘍内科科長。2012年国立がん研究センター 執行役員・企画戦略局長、現在に至る。
司会
大橋 靖雄(おおはし やすお)
中央大学理工学部 教授
NPO日本臨床研究支援ユニット理事長、NPO日本メディカルライター協会理事長、(社)日本臨床試験研究会代表理事、(社)日本医薬情報コンソシウム理事長、スタットコム(株)会長。1954年福島市に生まれる。東大工学部卒業後、同助手から医学部へ移籍、中央医療情報部講師・助教授を経て1990年から保健学科疫学教室教授、東大医学系研究科公共健康医学専攻教授を歴任し現職。専門は生物統計学とくに臨床試験のデザインと解析、研究者主導研究の支援をミッションとするNPO日本臨床研究ユニットを設立し現在は70以上の臨床試験と疫学研究を支援、財団法人パブリックヘルスリサーチセンターで常務理事として臨床研究支援事業を統括。財団法人日本科学技術連盟にて社会人に対する臨床試験関連セミナーを主催。リターンツーフォーエヴァー、セシルテーラー、穐吉敏子オーケストラ、AEOCの日本初演を二十歳くらいに聞いたのが自慢、今は文楽に凝る。大震災被災住民支援プロジェクト「きぼうときずな」を主催、新たなコミュニティー・地域医療システム作りへの貢献を模索中。