がん100万人時代をどう生きるか!?
1980年を境に、これまで30年以上、日本人の死亡要因の第一位は悪性新生物(がん)であり、今や日本人の2人に1人が、がんに罹患し、年間罹患者数は100万人に及ぶと言われています。近年の、がんに対する治療法、治療薬の進歩は目覚しいものがある一方、有害ながん医療情報、医療費の高額化、臨床試験(治験)の空洞化、がんに対する誤解や偏見、がんに関わる就労・教育など社会的課題など、未だ多くの解決すべき問題があります。
このセッションでは、それぞれの領域において活躍する方々をお招きし、その問題の共有と提言をお話し、議論頂き、AKIBA Cancer Forum2016に向けてクロージングセッションとの位置づけでお届けします。
司会
橋本 佐与子(はしもと さよこ)
MBS毎日放送 報道局記者
1995年MBS(TBS系列)入社。大阪府庁担当などを経て医療取材担当。臓器移植から小児の病気、食物アレルギー、再生医療など取材分野は多岐にわたる。しかし「がん」の取材だけなぜか縁遠かった。そんななか実父の胃がんが判明。同時期、MBSがん検診啓発キャンペーン「JUMP OVER CANCER」プロジェクトのチーフディレクターに。公私共に「がん」と向き合う。科学的根拠のある最新情報の発信をめざして日々勉強中。夕方ニュース番組「VOICE」キャスター(2000年~2007年)
18:00〜 背景説明
柳澤 昭浩(やなぎさわ あきひろ)
NPO法人キャンサーネットジャパン理事
18年間の外資系製薬会社勤務を経て、2007年1月よりNPO法人キャンサーネットジャパン理事・事務局長(現在は理事)。先入観にとらわれない科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携するため、日本肺癌学会チーフ・マーケティング・オフィサー、株式会社クリニカル・トライアル、株式会社クロエのマーケティングアドバイザー、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員などを務める。
18:05〜 もう待てないがん患者のための市民活動!
鈴木 美穂(すずき みほ)
民間放送局社会部記者(厚生労働省担当)
マギーズ東京プロジェクト共同代表
乳がん経験者
民間放送局社会部記者(厚生労働省担当)/maggie’s tokyo共同代表/若年生がん患者団体STAND UP!!副代表/乳がん経験者 2006年慶応義塾大学法学部卒業。同年民間放送局に入社。駆け出しの記者として飛び回っていた2008年、24歳のときにHER2陽性乳がんが見つかり、同年5月から8ヶ月休職して闘病。手術、抗がん剤、ホルモン治療、放射線、分子標的薬と治療のフルコースを経験。休職中、若くしてがんになった仲間がほしくて若年性がん患者団体STAND UP!!を立ち上げる。復職後はがん関連の取材や番組製作に力を入れる。現在は政治部の記者として働く傍ら、2014年5月に 英国にある「マギーズセンター」というがん患者と支える人たちのための相談支援センターを日本(まずは東京)に実現させるためにmaggie’s tokyoプロジェクトを立ち上げ、がんを経験した人が少しでも生きやすい社会にするために公私ともに奔走中。
18:12〜 がん医療のジャンク情報を一掃せよ!
勝俣 範之(かつまた のりゆき)
日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科
2011年10月より、20年間務めた国立がん研究センター中央病院を退職し、日本医科大学武蔵小杉病院で、腫瘍内科を立ち上げた。がん患者さんのための理想のがん診療を目指し、「がん」という病気を通して、患者のための医療とは?国民のための医療とは?人間のための医療とは?を考え Blog、TwitterやFacebookを通し、発信している。近著に「医療否定本の嘘」(扶桑社刊)がある。
18:19〜 がん教育だけでは変わらない日本のがん医療!
関原 健夫(せきはら たけお)
日本対がん協会常務理事
1945年生まれ。京都大学法学部卒業。61年日本興業銀行(当時)のニューヨーク支店に勤務していた39歳のとき大腸がんとなり、摘出手術を受ける。その後、肝転移と計6回にも及ぶ手術を受けるも、がんを克服し、金融業界の最前線に復活。役職を歴任し、みずほ信託銀行副社長、日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社取締役社長を経て現在、日本対がん協会常務理事。楽天銀行(株)取締役等数社の社外役員。中医協(中央社会保険医療協議会)公益委員の外医療関係の政府委員。「がん対策推進協議会」委員として現行の「がん対策基本計画」作りに参画。2001年、闘病記「がん六回 人生全快」を刊行(現在、講談社文庫)。2009年には「NHKスペシャルー働き盛りのがん」としてドキュメンタリードラマ化。
18:27〜 高額化するがん医療費(がん治療薬)と国民皆保険をどう考えるか?
藤原 康弘(ふじわら やすひろ)
国立がん研究センター中央病院 副院長(研究担当)
1984年広島大学医学部卒。国立がんセンター研究所 薬効試験部 研究員。1992年広島大学 病院 総合診療部(第2内科)助手。1997年国立衛研 医薬品医療機器審査センター・主任審査官、 審査管理官として新薬承認審査に従事。2002年国立がんセンター中央病院 医長。2007年同 病院 臨床検査部長。2008年臨床試験・治療開発部長。2010 年同病院 副院長(経営担当)兼 乳腺科・腫瘍内科科長。2012年国立がん研究センター 執行役員・企画戦略局長、現在に至る。
18:34〜 益々困難になる新薬開発
安達 進(あだち すすむ)
アッヴィ合同会社医学統括本部長
1987年奈良県立医科大学卒業 その後同大学産婦人科に入局し、東大阪市立中央病院、済生会富田林病院などを経て1996年より兵庫医科大学産婦人科に勤務し、婦人科癌の手術・化学療法を専門とする。2002年に製薬企業日本イーライリリーに入社し、抗がん剤の開発に携わる。2005年より米国本社で開発に関わり2008年には米国で抗がん剤のセールスなどを経験後、2009年より日本イーライリリーオンコロジー事業本部長、2014年より現職。
18:41〜 10年を振り返り10年後を見据えたがん政策
秋月 玲子(あきづき れいこ)
厚生労働省 健康局 がん対策・健康増進課 がん対策推進官
2002年慶大医学部卒、外科医勤務の後、05年厚生労働省に入省、国際保健、労働衛生を担当し、08年から10年まで米ハーバード公衆衛生大学院に留学。11年から13年までがん対策に従事し、14年より静岡県立静岡がんセンターに出向。15年7月より現職。
18:48〜 Wrap Up Talk
パネルディスカッション形式でお届けします。