肺がん
肺がん外科治療:手術のやり方に関する最新情報〜肺野末梢小型肺がんに対する縮小手術のエビデンス
坪井 正博
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)と西日本がん研究機構(NPO-WJOG)の肺がん外科グループで実施した肺野末梢の2cm以下・臨床病期IA期の非小細胞肺がんに対する肺葉切除と区域切除のランダム化比較試験で、世界で初めて区域切除が肺葉切除よりも全生存期間で統計学的に有意な延長を示しました。区域切除術は局所再発が多い一方で、再発後の手術、薬物療法など何らかの救済治療の介入により長期の生存期間が得られました。
肺がん薬物療法:パンデミックな世界でも、肺がんと戦う、生きる
加藤 晃史
新型コロナ感染症の蔓延による検診・受診控えにより、早期からの肺がん治療で得られたはずのメリットが脅かされています。ソーシャルディスタンスと診療を両立し、ゲノム診療や周術期薬物療法など次々とやってくる変化を患者さん、家族、医療者がどう工夫し、乗り越え、受け入れていくか、一緒に考えましょう。
講演者
1987年東京医科大学医学部卒業。同大学外科第一講座および国立がんセンター中央病院等での研修を経て、1997年より東京医科大学病院呼吸器外科、2008年から神奈川県立がんセンター、2012年から横浜市立大学附属市民総合医療センターで肺がん診療全般に取り組み、2014年4月より現職。医学博士。ちょいメタボに悩む。座右の銘は、「運・鈍・根」。肺がんなど胸部悪性腫瘍に対する外科治療を中心とした集学的治療の診療と開発に取り組む。分かりやすい情報提供を通じて、個々の患者さんに最適で質の高いハートフルな診療を行うことが信条。
1991年京都大学卒。天理よろづ相談所病院、国立がんセンター中央病院、神奈川県立循環器呼吸器病センターを経て2016年より現職。専門分野は、肺がんに対するがん薬物療法の開発と、間質性肺炎を中心とした薬剤の副作用マネジメント。「患者さんひとりひとりの特性と希望にそった診療のあり方」をテーマに、変動する社会のなかで、患者さん、チームスタッフとともに、皆が幸せになるがん診療のあり方を模索している。パンデミックの中、念願の生ピアノを手に入れ、鍵盤に向かう時間が至福。