乳がん
乳がん治療の最新情報と遺伝性乳がん
【今、乳がん薬物療法はこうなっている】
最近の乳がん薬物療法のキーワードは、いかに体への負担を軽減しながら (デ・エスカレーション)、効果を高めていくか(エスカレーション)です。予後の改善を目的とした新薬が臨床現場で使用可能となってきており、さらなる新薬の臨床試験も進んでいます。
【遺伝性乳がんについて】
乳がんに罹患する方の10人にひとりくらいは、祖先から受け継いだ遺伝子の異常によって乳がんを発症することが知られています。こうした乳がんに罹りやすい体質は遺伝子検査で確定できる場合がありますが、最近は、遺伝子検査で得た情報が、乳がんの治療や予防・早期発見に生かされるようになってきました。遺伝性乳がんの診断や治療に関して学ぶとともに、皆さんと遺伝子検査の問題点についてともに考える機会にできればと思います。
【Q&A】
今、乳がん薬物療法はこうなっている
昭和59年九州大学卒業。九州大学医学部附属病院、米国テキサス大学腫瘍内科(リサーチフェロー)、国立病院機構九州がんセンターなどを経て、平成27年から現職。チーム医療や臨床試験、乳がん啓発活動、国際ガイドライン作成など乳がん医療に取り組んでいます。
遺伝性乳がんについて
1996年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業。東京医科歯科大学医学部第2外科、国立がんセンター中央病院を経て、2019年5月より現職。専門領域は乳癌薬物療法。進行再発乳癌を中心に乳がん患者の診療や治療開発に携わりながら、がん患者の妊娠・出産に関する診療ガイドラインを作成するなど、がん患者のサバイバーシップの支援に力を注いでいる。2014年 あけぼの会 Doctor of the Year 受賞。
司会者
NPO法人くまがやピンクリボンの会 代表理事、CNJ認定(BEC) 乳がん体験者コーディネーター、埼玉乳がん検診検討会世話人、 日本乳癌学会準会員、日本乳癌検診学会会員、認定NPO法人乳房健康研究会ピンクリボンアドバイザー、がん教育認定講師、熊谷市共同参画をすすめる会理事、熊谷市地域公共交通審議委員、社会法人翠浩交会障がい者支援施設新光苑評議員。2007年4月乳がん罹患。発症から12年目の現在、治療による副作用の骨粗鬆症治療中。