臨床試験調査結果発表 日本の臨床試験の何が問題?
“医療者、製薬企業、がん患者・家族、一般で、臨床試験に対する意識の違いを調査しました。その結果から見えてくる日本の臨床試験の問題点とは?”
臨床試験(治験)が円滑に進まない要因の一つとして被験者不足があげられます。しかし、がんの臨床試験への参加を希望する患者は決して少ないわけではありません。このような一見矛盾したような状況になる原因としては、クライテリアの複雑化、臨床試験情報や治験啓発が不足している、実施制度や各関連機関の事情等、様々な要因が重なり合っている事が推測されます。がんの臨床試験(治験)について医師、患者、家族、製薬企業等、それぞれの立場での意識の違いを見ることで、日本の臨床試験の問題点を探ります。
柳澤昭浩(やなぎさわ あきひろ)
特定非営利活動法人 キャンサーネットジャパン 理事
18年間の外資系製薬会社勤務を経て、2007年1月よりNPO法人キャンサーネットジャパン理事・事務局長(現在は理事)。先入観にとらわれない科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携するため、日本肺癌学会チーフ・マーケティング・オフィサー、株式会社クリニカル・トライアル、株式会社クロエのマーケティングアドバイザー、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員などを務める。
滝口 裕一(たきぐち ゆういち)
千葉大学医学部附属病院 臨床腫瘍部 教授
1983年千葉大医学部卒業。浜松医療センター、放射線医学研究所(研究生)、国立がんセンター東病院、ロスアラモス国立研究所、千葉大呼吸器内科などを経て、2007年より千葉大学臨床腫瘍部勤務。肺がんを含む各種がんの化学療法・集学的治療を専門に、臨床試験にも取り組む。コミュニケーションの重要性と難しさを痛感する毎日です。
長谷川 一男(はせがわ かずお)
NPO法人肺がん患者の会 ワンステップ!代表
長谷川一男。神奈川県在住。45歳。39歳で肺がん発症。ステージ4。
現在7年目に入り、治療継続中。NPO法人肺がん患者の会 ワンステップ!代表。会が大切にしていることは「分かち合い」と「知って考える。」
2ヶ月に1回のペースでおしゃべり会開催。HPとブログにて、様々なテーマで情報発信しています。全国の肺がん患者会の連合組織である「日本肺がん患者連絡会」所属。代表。日本肺癌学会と連名で要望書を厚生労働省に提出するなどの活動も積極的に行っています。
藤原 紀子(ふじわら のりこ)
Research Intern
Department of Breast Medical Oncology
MD Anderson Cancer Center
2005年に東京大学医科学研究所附属病院へ入職。看護部/TR・治験センター/緩和医療科に臨床看護師・臨床研究コーディネーター(CRC)として勤務。がん看護専門看護師。Clinical Research Nursing(臨床研究看護) とInterprofessional work(IPW:多職種連携)が専門。2015年から2016年3月までUniversity of California San Diego Extension にて、医学英語・臨床研究・プロジェクトマネージメントについて学ぶ。2016年5月からMD Anderson Cancer Center Research Intern。日本臨床試験学会運営委員、International Association of Clinical Research Nurses (IACRN)支部管理委員会メンバー。
エドワード・L・トリンブル
米国国立癌研究所(NCI)グローバル・ヘルスセンター長
2011年9月、NCIに新設されたグローバル・ヘルスセンターの初代センター長に就任。グローバル・ヘルスセンターはグローバルヘルスや世界のがんに関する研究のコーディネート、戦略的計画の開発、世界規模のがん対策の導入、外部のステークホルダーとの関係強化といったことを行う部門である。
1991年から2011年までNCIのがん治療・診断部門の婦人科がん治療の責任者。国内外の子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん治療の戦略的研究計画の開発の陣頭指揮を取った。1999年に子宮頸がんの化学放射線療法について、2008年に卵巣がんの腹腔内化学療法についてのクリニカルアナウンスメントを起草し、コーディネートした。ハーバード大学とジョンズホプキンス大学医学部を卒業し、バンダービルト大学医療センターで産科学および婦人科学の研修、ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部で公衆衛生の研修、スローンケタリング記念がんセンターで婦人科腫瘍学の研修を受けた経歴を持つ。